« コーヒータイムとバーナー | トップページ | はやぶさくん »

大阪 京都間

2年前やったか、春まだ早い3月中頃の夜。
バイク仲間でもある旧友から「早春の若狭へツーリングに行こう。」と電話があった。
まだちょっと寒いけど、ぼちぼち走りたくなってた頃。
二つ返事で「よっしゃ 行こか。」すると彼が「ほな、うちおいでーや。一緒に朝飯しょーけ。」と言ってきた。

大阪から若狭方面行くのに京都寄るのは、かなりめんどくさい。しかも彼の営む肉料理屋は祇園のど真ん中だ。
でも、商売もんを使ったいつものローストビーフのサンドウィッチと彼の入れるコーヒーは絶品だ。
断る理由もない。 「わかった、行く」

名神高速 吹田IC 大都会大阪の北の玄関。思えば長旅の始まりと終わりはいつもここやった。
ずらっーと並んだゲートの右端のETC専用ゲートを目指した時。
「あっ!」左の方の一般ゲートにちらっと見えたバイク。多分僕のと一緒や。

ここから入って、西宮方面に行く車両はほとんど無い。
やはり京都方面のレーンに入って来た。「おっ、色まで一緒やんか。」
僕は後ろに着いた。沼津ナンバーか。
このバイク、生産中止から20年近く経ってもまだまだ見かけるが、このカラーは87年式だけらしい。
しかもこの年はこの色だけだ。
もしかしたらドイツで生産された時も並んでいたかも知れない。

本線に入って併走してみた。「ふーん こう見えるのか。」むこうもこっちを見てお互いに会釈。ヘルメットの中でにこやかに笑う彼は50代半ばか。
軽装なところを見ると、ツーリングいうほどじゃないな。この春から、関西の大学に入る我が子の部屋を見にくるという理由で一人で走って来たと言うところか。 なんだか嬉しそうに走っている。

茨木IC
今度は後ろに着きはった。ミラーでみるとなるほどバイク仲間達が言ってた事がよくわかる。
「だっちゅーの乗りはきしょい。」古いギャグや「カウルの中で芋の皮むいてるの?」等。
大きいカウルにむりやりハンドルを入れてしまう、このメーカーにしたら珍しくデザイン重視のスタイル。
よし、もう一回後ろに着こう。横からじろじろ。きれいに乗ってはるなー。
「遅いのに、早く走ってるように見える。」これもわかる。デザイナーの勝利か。
斜め後ろ。「人間魚雷にもぐりこんでる。」なるほど、みんなうまい事言うなー。

高槻バス停
「沼津の兄い、ここから山の方に行くと、摂津峡いう小さいけどきれいなとこがあんねん。僕らのような古いバイクでトコトコ走るにはええとこやで。」
知らず知らず僕は彼に語りかけていた。
「この左手がサントリーの醸造所、名酒山崎はここで作ってんねん。」

そや、桂川SAに入ろうか。いい話聞けるかも。コーヒー飲む手真似してウインカー出したらついて来てくれるかな。
でも高速乗ったとこやし。僕は京都南でおりるし。どうしよう。
後1km どうしよう 500m すぎちゃった。
まあいいか。桂川を渡り出口近く、ウインカーを出し左車線から出口レーンへ。
並んだ彼もいくらか減速して手を振っている。僕も手を振って出口へ。
「お気を付けて、又どこかで。」彼もミラーの中に消えていく僕につぶやいているはず。
「お気を付けて。」

週末の夜の余韻が残る祇園のけだるい朝。
うまいコーヒーをだまって飲んでいる僕に「で、どう調子は?」旧車を気づかって友はいつも聞いてくれる。
ぼっーとしてた僕は「うん、楽しかったで。」
「何言うてんねん、ツーリングはこれからやで。」

おわり


今、大阪京都間は、新しい高速が出来た。もう吹田から乗る事はあんまり無いだろう
河内平野を防音壁に囲まれた道が一直線に伸びている。確かに早い、便利になった。
でも、味気無いと思っていた高速道路も昔の道は、谷を渡り、山をくりぬき、丘を廻りずいぶん味わい深かったもんだ。たまには乗ろう。

P7290312

|

« コーヒータイムとバーナー | トップページ | はやぶさくん »

コメント

ご友人のお店のお肉最高ですもんね~。
以前一度両親とお邪魔したことがあるんですが、語り草のようになっています。
そのローストビーフのサンドウィッチ、そりゃ~走りますよね♪
マスターの絶品ピクルスと一緒に味わってみたいものです。

沼津の兄いさんもマスターのRSを見て、もしかしたら同じ事を考えてらっしゃったかもですね。

投稿: 真似っこRS嫁 | 2010年6月 2日 (水) 20時21分

えぇ話どした。

パールホワイトRSならではのお話ですね。一瞬でそれとわかるスタイリングに、同い年生まれのカラーリング。ほかのバイクだと、まず気づけないトコロです。

桂川SA入って欲しかったなあ!
このシーン、すごくドキドキしました。

シメも良いね。くすっとしました。
また、こういうの読みたいです。

ナイス!(ボタン無いから書いた)

投稿: ムスメ | 2010年6月 2日 (水) 22時22分

真似っこRS奥様、ムスメ様 ありがとうございます。
静岡のRider's Storyに影響されてちょっと書いてみました。
これはほとんど事実ですが、これからも事実、思い出、他人の話、でっち上げ、色々使ってこんなん書いていこか思っています。
又、感想等聞かせて下さい。
問題は大阪人の僕、オチつけんと寝られへんいうとこです。
かっこよく終わらせたいのですが。
この話でいっぱいいっぱいです。

投稿: マスター | 2010年6月 3日 (木) 19時07分

絵が上手いのは知ってたけど、文章もいいね!
ボクサーツインRSに関しては、100が完成形です。
9年落ちの最新?型に乗っている僕が言うのだから間違いない。

日曜日の祇園街は、静かで良い。
だれも住んでないから。
ツーリングライダーの始発駅としては、最上の部類かも?
エンジンをあっためるのに気を使わない。

スピードじゃなく走っているのが気持ちいいと思えるとこへ走りに行きましょう。
サンドイッチ付きで!

投稿: みかく | 2010年6月 3日 (木) 20時54分

自分のバイクと同じのを見つけたら、気になりますよねぇ。僕はまだ同じバイクに遭遇した事ないのでなんとも言えませんが…たぶん「ハンドル広すぎやろ」とか思うんでしょうね?

集合場所までそうやって楽しめると、その日のツーリングもより楽しくなると思います!(ちょっと羨ましい)

投稿: 真 | 2010年6月 3日 (木) 20時58分

みかく様 ありがとうございます。
屋号は出してないけど、みかくさんや言うの見え見えですよね、勝手に登場させてすいません。
昔から祇園は夜しか知らんかったので朝は新鮮でした。お泊まりしても起きたら昼前やし。
真様ありがとうございます。
僕は一度グリーゾ走ってるのに遭遇しましたよ。
仰るとうり僕のとは逆に両手を広げ、前かがみの独特のポジションは一目でわかりました。

投稿: マスター | 2010年6月 4日 (金) 19時22分

マスター、僕も同じバイクに乗ってるの見掛けると、あー、こんな風に乗ってるのか、とか、気になりますよね。
マスターの文章その時の情景が目の前に浮かびましたよ。これからも、楽しみにしています。

投稿: Ebi | 2010年6月 5日 (土) 19時41分

Ebi様 ありがとうございます。
文章は苦手やったんですが、書いてみると案外楽しかったです。
物の見方や人の話しの聴き方が変わったような感じです。
頭の中で新しい回路が一つ動きだしたみたい。
又時々書いていきます。

投稿: マスター | 2010年6月 7日 (月) 18時30分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« コーヒータイムとバーナー | トップページ | はやぶさくん »